院長の舟木です。
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)についてお話させていただきます。
2003年に骨粗鬆症のお薬であるビスフォスホネート製剤(BP製剤)で
顎骨壊死が報告されました。
BP製剤が原因で起こることから、
BP製剤関連顎骨壊死(BRONJ)と言われていました.
その後、2008年には血管新生抑制薬でも顎骨壊死が起こることから、
薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)
言われるようになりました。
発現頻度は薬剤の種類によって様々で、
0.1%〜10数%だそうです。
症状としては骨粗鬆症のお薬を
長期間服用された患者さんの歯を抜歯後、
抜歯窩の周囲から持続的な排膿がでていたり、
骨が露出し症状を伴い傷が治らないことが起こります。
一般開業医では治療が難しいため、
大きな病院に転院して治療を受けてもらう必要があります。
場合によっては、顎骨離断といって
壊死した顎の骨を切断しなければならないケースもあるそうです。
顎骨壊死が報告されたのが2003年ですが、
なぜ薬剤関連顎骨壊死がおきるのか、
その原因はほとんどわかっていません。
そのため、確実な治療法も存在しないのが実情だそうです。
顎骨壊死になるリスクが高まるのは
お口の清掃状態が良くない場合もあります。
また、お口にあっていない入れ歯を装着した場合、
お口の中の粘膜が傷つくとそこから顎骨壊死になることがあります。
日頃から患者さんは歯、歯肉、粘膜を含めた口腔環境を
清潔に保つようにお願いいたします。
また、歯科医院にも定期的に通って
プロフェッショナルケアを受けて頂きたいと思います。